2026年08月01日

Radioberry が “No local devices found!” になった話

カーネルアップデートで kernel module が置いていかれた

久しぶりに Radioberry HF SDR Transceiver Pi HAT を Raspberry Pi 4 に挿して、openHPSDR を起動してみたところ、No local devices found! と表示されてしまいました。

No local devices found!.png

最初は HAT の接触不良や、Radioberry 側のサービス停止を疑いました。HATを差し替えた直後だったので、GPIOの接触が悪いのかなとも思いました。

しかし、確認していくと原因はもっとソフトウェア寄りでした。

症状

Radioberry の service 状態を確認すると、radioberry.service が起動と停止を繰り返していました。

sudo systemctl status radioberry --no-pagerjournalctl -u radioberry -b --no-pager | tail -100

ログを見ると、次のようなエラーが出ていました。

chmod: cannot access '/dev/radioberry': No such file or directory

つまり、Radioberry の daemon が使うはずの /dev/radioberry が存在していません。

さらに確認すると、

lsmod | grep radioberrymodinfo radioberry 2>/dev/nullls -l /dev/radioberry

いずれも期待した結果が出ませんでした。

原因

現在動いているカーネルを確認すると、

uname -r

結果は次の通りでした。

6.12.75+rpt-rpi-v8

一方で、Radioberry の kernel module は古いカーネル用のものしか残っていませんでした。

find /lib/modules -name '*radioberry*' -print

結果は、

/lib/modules/6.1.0-rpi7-rpi-v8/kernel/drivers/sdr/radioberry.ko

でした。

つまり、以前は 6.1.0-rpi7-rpi-v8 用の radioberry.ko で動いていたものの、Raspberry Pi OS のカーネルが 6.12.75+rpt-rpi-v8 に更新され、Radioberry の kernel module が現在のカーネルに対応していない状態になっていました。

Radioberry のような out-of-tree kernel module は、カーネルが更新されると再ビルドが必要になります。今回はまさにそれでした。

復旧作業

Radioberry のソースツリーに移動します。

cd ~/Radioberry-2.x/SBC/rpi-4/device_driver/driver

必要であれば、カーネルヘッダとビルド環境を入れます。

sudo apt updatesudo apt install -y raspberrypi-kernel-headers build-essential git

ドライバを再ビルドします。

make cleanmake

ビルド自体は成功し、radioberry.koradioberry.dtbo が生成されました。

ただし、sudo make install は途中で失敗しました。

chmod: cannot access '/dev/radioberry': No such file or directory

ここで分かったのは、kernel module 自体はロードされても、Device Tree Overlay が有効になっていなければ probe() が呼ばれず、/dev/radioberry が作られないということです。

Device Tree Overlay の設定

まず、生成された overlay を /boot/firmware/overlays/ にコピーします。

sudo cp radioberry.dtbo /boot/firmware/overlays/

次に、現在のカーネル用に kernel module をコピーします。

sudo mkdir -p /lib/modules/$(uname -r)/kernel/drivers/sdrsudo cp radioberry.ko /lib/modules/$(uname -r)/kernel/drivers/sdr/sudo depmod -a

そして /boot/firmware/config.txt に Radioberry の overlay を追加します。

sudo nano /boot/firmware/config.txt

末尾に以下を追加しました。

dtoverlay=radioberry

私の環境では、すでに次のような表示用 overlay が入っていました。

dtoverlay=vc4-kms-v3dmax_framebuffers=2

これは Raspberry Pi の画面表示用なので、Radioberry とは別です。その下に dtoverlay=radioberry を追加しました。

設定後、再起動します。

sudo reboot

復旧確認

再起動後、dmesg を確認すると、今度は probe() が呼ばれていました。

dmesg | grep -i radioberry

ログには次のような表示が出ました。

inside radioberry_probe functionradioberry - Device property 'rx-sample-gpio' found!Radioberry: registered correctly with major number 239Radioberry char: device class created correctlyRadioberry: The rx samples pin is mapped to IRQ: 58inside loading_radioberry_gateware functionRadioberry gateware file size: 335337

さらに、/dev/radioberry も作成されました。

ls -l /dev/radioberry

結果は、

crw------- 1 root root 239, 0 /dev/radioberry

でした。

権限を変更してから、Radioberry service を起動します。

sudo chmod 666 /dev/radioberrysudo systemctl enable radioberrysudo systemctl start radioberrysudo systemctl status radioberry --no-pager

最終的に、service は正常に起動しました。

Active: active (running)Main PID: radioberry

これで Radioberry は復旧しました。

まとめ

今回の原因は、HAT の故障や接触不良ではなく、Raspberry Pi OS のカーネル更新により、Radioberry の kernel module が現在のカーネルに対応しなくなっていたことでした。

復旧のポイントは次の3つです。

1. 現在のカーネル用に radioberry.ko を再ビルドする
2. radioberry.dtbo を /boot/firmware/overlays/ に置く
3. /boot/firmware/config.txt に dtoverlay=radioberry を追加する

Radioberry のように kernel module や gateware が絡む環境では、動いているSDカード自体がかなり重要な資産になります。
動作確認できた時点で、SDカードのイメージを保存しておくべきだったと反省しました。

今後、安定運用するなら、カーネルを固定しておくのも一つの方法です。

sudo apt-mark hold raspberrypi-kernel raspberrypi-kernel-headers

ただし、セキュリティアップデートや他の機能との兼ね合いもあるので、開発用と安定運用用のSDカードを分けておくのが一番安全だと思います。

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2026年07月01日

ThinkPad USB トラックポイントキーボード SK-8855 55Y9024/55Y9074 の修理

メインマシンで使用している ThinkPad USB トラックポイントキーボード SK-8855 に、不具合が出るようになりました。

症状は、Eキー や ボリュームの+ボタン が反応しなくなることがある、というものです。
当初はキーボードを裏返して軽く叩くと復活していたため、そのまま使用を続けていました。しかし、次第に再発頻度が高くなってきました。

このキーボードは 2010年3月に購入 したもので、使用開始から 16年以上 が経過していました。ほとんど寿命と思われますが、気に入っていますし、オーストラリアでは日本語キーボードは入手しづらいので、分解して状態を確認しました。

まず、症状から接触不良を疑い、USB基板とキーボード本体を接続しているコネクタを挿し直しましたが、改善しませんでした。

次に、キーボード本体をさらに分解して確認しました。

その結果、メンブレンシートとフレキシブルケーブルの接触部 を指で強く押し付けると、問題のキーが反応することが分かりました。
この接触部は、金属カバーの内側に入っているスポンジで押さえつける構造 になっており、その圧力によって導通を確保しているようでした。
このことから、経年変化によりスポンジの弾性が低下し、十分な接触圧が得られなくなっていたと考えました。

そこで、手元にあったスポンジを小さく切り、既存のスポンジの上に追加しました。

SK-8855_repair.jpg

古いキーボードですが、今回の修理で引き続き使用できる状態になりました。
しばらくはこのまま使えそうです。
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2026年06月01日

1090ES ADS-B送信機を作ってみた 〜李下に冠を正さず〜

ppmmodulator.jpg
1090ES ADS-B送信機を作ってみた 〜李下に冠を正さず〜
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2026年05月01日

Newport Workshops Open Days 2026 に行ってきました 🚂

メルボルン近郊の Newport Railway Workshops で開催された
Steamrail Victoria Newport Workshops Open Days に行ってきました。

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このイベントは 2年に一度開催される公開イベントで、
普段は立ち入ることのできない鉄道工場の内部を見学できる貴重な機会です。

会場へは Newport駅からシャトルバスが出ていました。
最初に乗ったのは、なんと 1952年製の超クラシックバス

1_ch0150.jpg

AEC Regal MkIII(元 MMTB バス 592) という車両で、
イベント用シャトルとして運行されており、Newport駅から会場まで
この歴史的バスに乗ることができました。

会場の中には、貴重な保存車両がずらりと並んでいます。
普段は入れない鉄道工場の内部も見学でき、レストアの現場を間近で見ることができました。

3_restore.jpg

他にも、1887年製の蒸気エンジンで動く自動車も実際に走っていて、当時の技術を間近で感じられました。

6_se1.png

会場には鉄道模型の展示や販売もあり、模型好きにも楽しめる内容です。

4_rm1.jpg

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屋外では、Rクラス・A2クラス・D3クラスの蒸気機関車が3台並ぶ豪華なシーンも。

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さらに、蒸気機関車の重連がヤードの端から加速していく様子も見ることができ、迫力満点でした。

今後の参考にチラシを貼っておきます。

Steamrail Victoria Newport Workshops Open Days1.jpg


Steamrail Victoria Newport Workshops Open Days2.jpg

Steamrail Victoria Newport Workshops Open Days4.jpg

Steamrail Victoria Newport Workshops Open Days3.jpg

貴重な車両をたくさん見ることができ、とても楽しいイベントでした。
2年後もぜひ行きたいと思います。 🚂

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【今是昨非】http://nomulabo.com/