単三乾電池一本で動作するホワイトノイズ&ピンクノイズジェネレータの作成

1.前置き
数ヶ月前、突然、キーンという15kHzくらいの耳鳴りが発生しました。
近所の耳鼻科からお茶の水の有名な病院まで行って検査して貰いましたが、異常はなく、薬も効果はありませんでした。
経験者の方は分かると思いますが、うるさくて気が狂いそうで、もう止まらないのではないかと不安でした。
試行錯誤の結果、ピンクノイズを聞いていれば耳鳴りがノイズの中に埋もれ、かなり症状を軽く出来ることを発見しました。寝るときも枕元で弱く流していました。
調べてみると、これはTRT(TRT:Tinnitus Retraining ... Tinnitus Retraining Therapy(耳鳴り順応療法))という、ちゃんとした治療法だそうです。
ノイズ源は TCI(Tinnitus Control Instrument)という機械を使うようなのですが、処方されるまで時間がかかりますし、高価(約6万円)なので自作してみることにしました。
2.特徴
スマホのアプリでもノイズは発生できるのですが、専用機だけに下記の特徴があります。
- 単三乾電池一本で動作。もちろんエネループでも動作します。
- 低消費電力設計。耳鳴りマスクのボリューム位置(個人差あります。エネループ使用)で90時間以上動作。
- 周波数帯域が広い。人間には聞こえない20kHz以上までカバー(-6dBポイントは約57kHz)
普通の再生機は20kHzで切られていますが、それ以上の高域まで周波数特性がフラットですので、イヤフォンのエージングに有効であると思われます。 - 繰り返し周期が非常に長い(7千年以上)
- ホワイトノイズとピンクノイズはジャンパで切り替え。
- 小型。77x51x22mm
3.設計メモ
- ノイズの発生は手持ちのPICマイコンPIC12F675を使用。
- オーディオアンプはBU7150を採用。最大85mW(@1.5V、8Ω負荷)
- 昇圧はHT7750Aを採用。
- スイッチ付きボリュームで、捻ると電源ON。
- ピンクノイズはちゃんと-6dB/Octになっていた。
- だいたい秋月電子で買える。
赤ちゃんが泣き止む効果もあって大満足です。